夏山登山道から登る。
午をまわっているので、1,2時間登ったら引き返そうと思いながら。
ヤマアジサイが迎えてくれる。
冬の晴れた日、積もった雪が青く見えるのを「大山ブルー」と言うらしいが、
アジサイも実に鮮やかな青だ。
ユキノシタが群生している。
ミヤマヨメナも群生している。
阿弥陀堂に手を合わせ、
ようやく1合目。
群生しているでんでん虫みたいなのは、なんだろう?
しばらく行くと答えが分かった。
ツルアリドオシ。
でんでん虫みたいなのは、蕾。
やがて2つ花が咲いて、その2つの花が実になると1つになる。だから、実の先にポッチが2つある。
花言葉は「仲良し」、らしい。なるほど。
コナスビ
ギンリョウソウと思っていたが、シャクジョウソウらしい。
隣にはツルアリドオシが蕾をつけている。
何かよく分からないが、あちこちで咲いていた。
登り始めて約1時間で、2合目。
新緑の森の中、たくさんの鳥の声が聞こえてくる。
広島の山でなじみ深いウグイスやホトトギス、カッコウの声はしない。
かろうじて分かるのは、シジュウカラくらい。
ウラジロノキかな?
さらに40分後、3合目。
密にならない登山が書かれている。
なるほど、2m間隔か。
とはいえ、下山中の方と一人すれ違っただけで、他には誰もいない。
考えると恐い気もするが、そこは考えないようにするw。
見上げるような急斜面。
ずっとこうして丸太で段々がこしらえてある。
これがずっと続いているのだから、頭が下がる。
おなじみのマムシグサ。
アジサイも咲いているが、標高が上がるにつれ、蕾のままが多くなる。
これは1合目と2合目の間、標高900mくらいで撮ったもの、
2合目の少し手前で撮ったもの、
湿度が80%を超え、レンズやファインダーが曇っている。おかげでソフトフォーカス。
気温は高くないので、ウインドブレーカーを着て少し汗ばむくらい。脱ぐと肌寒い。
登山開始2時間で、4合目。
起動している登山アプリでは、5合目まで1時間半と出ているけれど。
まあ歳だし、写真を撮るたびに立ったりしゃがんだりを繰り返すのだから、
スクワットしながら登っているようなもので、だんだんと足が上がらなくなってくる。
足のことを考えるとふらつくので、考えないようにして登る。
赤いウツギが咲いている。
タニウツギ
ほとほとへばった時に、うれしい。思わず「ありがとう」と声が出る。
登山開始から約2時間半、ようやく5合目を過ぎて、行者谷分かれ。
ここらは下っていく。
旅館街まで2.5kmとあるが、平地と山では倍半分はちがう。
滑るか転がったほうが早くて楽そうな急坂を、そろりそろりと下りていく。
足が震えてヘナヘナとなりそうなので、気が抜けない。
ガスが出て来た。これはやばい。こんな所で行き倒れはいやだ・・・!
ツルアジサイが心癒やしてくれる。
サワフタギ(と思う)
もうだいたい撮った花ばかりなので、下りることに集中することにする。
ガクウツギ(かな?)
シャクジョウソウ、アゲイン。
目の前が開けたと思ったら、元谷。
行者谷分かれから、約40分。
赤いひらひらと、石の赤いペンキを目印に歩く。
堰堤の切れ目にロープが渡してある。元気なら覗きに行きたいところだが、今なら確実に落ちそうな自信がある。
もう一箇所同じように渡って、
道は原生林(たぶん)の中を行く。
緩やかに下っていくので、心は軽やか、足は重い・・・。
トリアシショウマと思っていたが、アカショウマのようだ。
ウリノキがちょうど目の高さで咲いて、撮りやすい。
森の奥に白い花がたくさん咲いている。
拡大してみると、どうやらヤマボウシみたい。
おお、目の前に咲いているではないか。
爽やかな森の中。大山の懐の深さを感じる。
たぶんウワバミソウではないかと思う。
花が濡れてくしゃくしゃになっているのだろうか。
森の切れ間に何か見える。
登山道が終わり、大神山神社奥宮。
杉にツルアジサイが咲いている。
出発して約4時間。
石段をゆるゆる下りる。足が動かない。
さらに約700mという自然石の石畳が、動かない足にはつらい・・・。
門前の通りを下っていると、
茂みから出て来たのは、アナグマか?
舌を鳴らして呼び止めると、
振り向いてくれた、やはりアナグマ。
向かいの茂みに、のそのそ入っていった。
宿屋前の急坂を這い上り、チェックインして、すぐにお風呂に入った。
夕食は「鳥取和牛すき焼きコース」。
ちゃんと大山蕎麦つき。
あっさりとした上品な蕎麦。
ようやくありつけた。
長々とお読みいただき、ありがとうございました。
山登りの記録は、こちらをご覧下さい。
1. 無題
アナグマ可愛い。ツキノワグマではなくて良かったっす。
きちんと山の花撮っていて、流石。∠(^^)