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酒の飲めない嫁さんが買ってきた酒と、温泉

うちの嫁さまは酒が飲めない。まったく飲めないことはないが、興味がない。そんな嫁さまに酒の購入をすべてまかせることにした。スーパーや酒屋で嫁さまが買ってきた(多分ラベル買い)酒を、記録する。 ということで始めたこのブログ。やがてレザークラフトを始めるし、アウトドアや花などに気がうつり、そういえば最近温泉に行ってないなあ・・・

京都で忘年会 3日目

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コメント

1. 無題

山の神に呆れられたもう一人です。^^; そか、修学旅行か、んまいこと言いますねー。
三日間お付き合い頂き、ありがとうございました。 

2. 無題

英ぼさん コメントありがとうございます。
こうしてブログにまとめてみると、なんとかけがえのない素敵な時間だったかと、改めて思います。
こちらこそ、ありがとうございました。
また、今年も、忘年会しましょうね。

ただいまコメントを受けつけておりません。

京都で忘年会 3日目

2019年12月30日。
3日目は、朝から雨。
宿から車で、河原町二条の交差点まで。そこから歩きながら、最初の目的地をさがす。

探し当てたのは、ここ。

八百卯果物店。
何かが私を追いたてる。そして街から街へ、先に言ったような裏通りを歩いたり、駄菓子屋の前で立ち留まったり、乾物屋の乾蝦や棒鱈や湯葉を眺めたり、とうとう私は二条の方へ寺町を下さがり、そこの果物屋で足を留とめた。ここでちょっとその果物屋を紹介したいのだが、その果物屋は私の知っていた範囲で最も好きな店であった。そこは決して立派な店ではなかったのだが、果物屋固有の美しさが最も露骨に感ぜられた。果物はかなり勾配の急な台の上に並べてあって、その台というのも古びた黒い漆塗りの板だったように思える。何か華やかな美しい音楽の快速調(アッレグロ)の流れが、見る人を石に化したというゴルゴンの鬼面――的なものを差しつけられて、あんな色彩やあんなヴォリウムに凝り固まったというふうに果物は並んでいる。青物もやはり奥へゆけばゆくほど堆高く積まれている。――実際あそこの人参葉ばの美しさなどは素晴すばらしかった。それから水に漬つけてある豆だとか慈姑くわいだとか。
 またそこの家の美しいのは夜だった。寺町通はいったいに賑かな通りで――と言って感じは東京や大阪よりはずっと澄んでいるが――飾窓の光がおびただしく街路へ流れ出ている。それがどうしたわけかその店頭の周囲だけが妙に暗いのだ。もともと片方は暗い二条通に接している街角になっているので、暗いのは当然であったが、その隣家が寺町通にある家にもかかわらず暗かったのが瞭然しない。しかしその家が暗くなかったら、あんなにも私を誘惑するには至らなかったと思う。もう一つはその家の打ち出した廂なのだが、その廂が眼深に冠った帽子の廂のように――これは形容というよりも、「おや、あそこの店は帽子の廂をやけに下げているぞ」と思わせるほどなので、廂の上はこれも真暗なのだ。そう周囲が真暗なため、店頭に点けられた幾つもの電燈が驟雨のように浴びせかける絢爛は、周囲の何者にも奪われることなく、ほしいままにも美しい眺めが照らし出されているのだ。(『檸檬』梶井基次郎)
美しい文章なので、長々と引用してしまった。
少年期から青年期への、幼虫が繭を作っていったんどろどろに溶け、蛹へと形を作り始めるような無自覚な不安みたいなものが、この作品の主調をなしている。
「この果物店」と言ってみたり、「そこの」と言ったり、この後の段落では「ただあたりまえの八百屋」と言っている。このような流動的な指示表現が、基次郎の内面の不安定を表しているようでもある。

残念ながら、八百卯果物店は2009年1月25日に店を閉じた。
軒先の小さなテントは残されているが、看板は取り外されてしまっている。
新しく入るテナントもなく、しずかに雨に濡れている。


そのまま寺町通りを下り、本能寺の前を通り、

寺町京極商店街のアーケードを歩いて、念珠屋の角を曲がって六角通りを傘を差して行くと、

中学1年生の時、近所のおばさんから誰も弾かないからと、ギターをもらった。
中3の時、電車に乗ってヤマハ広島店まで行って、「フォークの旗手たち 現在のニューフォーク一五〇集」という楽譜集を買ってきた。
レコードも、レコードプレーヤーも買ってもらえないころ。
吉田拓郎、泉谷しげる、五つの赤い風船などといっしょに、トワ・エ・モアとかガロ、チェリッシュの名前も見える。
その中に高田渡の歌が、10曲ある。
全30名(グループ)中、吉田拓郎が17曲、泉谷しげるが15曲、加川良12曲に次ぐ曲数だ。
ぎりぎりリアルタイムではなかった。が、楽譜を拾いながら、いろいろ歌ってみたりした。

三条へ行かなくちゃ
三条堺町のイノダっていうコーヒー屋へね
あの娘に逢いに
なに 好きなコーヒーを少しばかり(『珈琲不演唱』高田渡)

高田渡には『生活の柄』とか『出稼ぎの唄』とか、当時の底辺あるいはあるいは底辺に近い人たちに寄り添う歌が多く、山之口貘や吉野弘といった生活に根ざした詩も取り上げている。
吉野弘の『夕焼け』を歌っているのは、大好きだ。
そんな中でこの『珈琲不演唱(コーヒーブルース)』は、何だか肩すかしな気がした。コーヒー屋のCMソングかとも。
英ぼさんの話によると、小さなお店だったようで、だとするとこの歌の色合いも違ってくるかもしれない。
飄々としたというか、ふわふわとした感じと小さな胸のうずきが印象的で、忘れられない歌だ。


多くの待ち客に並んで、しばし待つ。
アラビアの真珠と、ケーキはナポレオンをたのむ。

ミルク、砂糖はあらかじめ混ぜて出てくるのが、ここの流儀。

ナポレオンはミルフィーユ生地にたっぷりのクリーム。
京都での最後の、まったりとした時間。

イノダコーヒーを出て、またしばらく歩く。どこを歩いているのか、さっぱり分からない。
屋根の上に魔除けの鍾馗さんがおいてあったりして、京都らしい。

小さな八百屋さんも、いい味出している。

写真から東洞院綾小路下るとわかる。

地下鉄で京都駅まで行き、しばし京都駅ビル探索。そしてお土産。今日の昼食も、そば。



宿から送ってもらった荷物を受け取り、京都忘年会は無事終了。
嫁様からは、三日も忘年会をするのかと呆れられたが、楽しく有意義な、そう、修学旅行だった。
また、今年もよい年でありますように。

この日の歩数・12,700歩、距離9.1Km、消費カロリー606kcal。

おわり

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コメント

1. 無題

山の神に呆れられたもう一人です。^^; そか、修学旅行か、んまいこと言いますねー。
三日間お付き合い頂き、ありがとうございました。 

2. 無題

英ぼさん コメントありがとうございます。
こうしてブログにまとめてみると、なんとかけがえのない素敵な時間だったかと、改めて思います。
こちらこそ、ありがとうございました。
また、今年も、忘年会しましょうね。

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