先日行った総領町のお酒。
毎年セツブンソウを見に行って、必ず買うのが、まず横山甘泉堂の「田総羊羹」。
甘さ控えめというか、小豆の自然な甘さを生かした、上品な羊羹。
コーヒーのお供にもぴったり。
そして、花酔酒造のお酒。
これは「桜酔」というネーミングと桜のラベルで買ってみた。
「花酔酒造のお酒は自然豊かな地元(広島県総領町)田総下松(たぶさ さがりまつ)山の伏流水を使用して仕込まれます。この美味しい「中硬水」は日常でも飲み水として、和らぎ水として、大変重宝しています。大切な自然の恵みに感謝しつつ、仕込み中の純米大吟醸や既に仕込みを終えた純米酒の出来上りを楽しみしています。」
八反錦100%使用。精米歩合60%。アルコール分15%。
裏ラベルには、「常温または冷やして、ぬる燗もおすすめ!お好みの温度で!」とある。
??節操ない・・・? 熱燗はないのか?
今夜は常温でいただいた。
ちょっと昔風の吟醸香。甘口で、口に含むと軽く舌重りがする。
田舎風で昔風のお酒だなと思っていると、飲み終わって一呼吸置いて、不思議な余韻が鼻の奥から立ち昇ってくる。
上質のプリンを食べた時のカラメルの香り、と言えばいいのか。
可憐なセツブンソウの香りもこんなだったろうかと思わせる。
あの時セツブンソウを嗅いでおけばよかった。
風土と、水と、その土地の味覚文化に根ざし、誠実に考え、工夫凝らされたお酒だ。
訪れた土地を彷彿させるお酒が、土地土地にある。
幸せなことだ。
ぬる燗、レンジで1分で飲んでみた。
不思議なことに、常温よりさらっと感じられ、この酒独特の奥深く甘いふくよかさが引き立った。
冷やしは、残念ながら、試せない。もう、ない。
(2021/03/11)
1. 無題