そろそろ高原のそば屋さんも店仕舞いが近い。
久しぶりに行ってみた。
いつもの道筋にいつも見る橋が、令和2年度土木遺産に認定されたのは知っていたが、
地域の方々が、出合の聖地にしようという機運があるそうなので、寄ってみた。
出合橋
橋を渡ったたもとに、明神社があり、そこにハート型の絵馬を掛けるようになっている。
橋は、設置年…昭和10(1935)年 ・形式…鉄筋コンクリートタイドアーチ橋 ・橋長…52.5m 幅員…6.8m。
太田川と柴木川が合流する三段峡の玄関口に架橋された優美なデザインのRCタイドアーチ橋であり,地域のランドマークとして地域住民に親しまれていることが、認定理由ということ。
何気なく通り過ぎていた橋が、こんなに歴史があるとは思わなかった。
寒い平日ということもあり、店内は3組。
いつもの天ぷら盛りそば。
新蕎麦の香りがいっそうよくかおる。
ぐらついていた奥歯を抜いて、噛み合わせがよくなったせいだけではあるまい。
これからほぼ4ヶ月閉店。
近くのスキー場が人工降雪機で雪を積んでいたので、そちらの食堂で働くらしい。
聞いてみたが、そばはないらしい。
紅葉が平地にまで下りてきて、高原はすっかり初冬。あとは雪を待つだけ。
気温は8℃、14時過ぎると6℃まで下がり、鼻先や耳が痛い。
ズボン下や手袋は用意してきたが、ネックウォーマーを忘れた。
マスクを着けていると、温かくてはずせない。ただしファインダーが曇る。
ほぼ茶色ばかりの中に、葉っぱや木の実の赤色が点在する。
とりどりの花もいいのだが、綿毛をつけた草々も、いとおしく可愛い。
流れに一寸ほどの小魚が泳いで、小さい木の葉が落ちると、いそいでつつきに来る。
その様子が可愛いく、どうしても、宮沢賢治の『やまなし』を思い出す。
二疋の蟹の子供らが青じろい水の底で話していました。『クラムボンはわらったよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』『クラムボンは跳はねてわらったよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』小魚を撮ってみたが、どこにいるのか分からない。
湿原に機械が入り、藪を伐っている。
高原のこの湿地は、いったん牧草地にしたのを、人工的に流路をつけて、元の湿地に戻す試みらしい。
自然はつねに変化する。
私たちの考える以上に、その変化はダイナミックで速い。
人間は、自然は不変のものとして、その姿を押しとどめようとする。
とどめきれなくなると、災害と呼ばれたりする。
私と嫁様が、安全に山歩きをし、季節の花々を楽しめるのは、多くの人たちの手によるものなのだ。
いつもの自然に機械が入り木が伐られると、自然破壊とつい口をついて出そうになるが、自然を「自然」として保つために、たゆまぬ人手が加わっている。
などということを考えながら、歩いた。
去年はあちこちにたわわに実っていたツルウメモドキの実が、今年はわずかしか目にしない。
ウバユリ
トリカブト
ススキの原では、今年も茅ぼうとうが作られた。
乾燥させて、藁葺き屋根や肥料に使うらしい。
今日は6600歩。
3Km、上昇した高度48m。
1時間43分。
雪が降って温かい日に、来よう。
↓たくさんの写真が見られます。